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【今考えること】失業率が上昇すると、自殺は増加する

 

統計的には実証されているがやはり関連性が大きいみたいです。

失業率が上昇すると、自殺が増加することが知られている。バブルが崩壊して、自殺者数は2万人台前半を推移するが、1998年以降は急上昇する。1997年に山一證券が倒産し、1998年には日本長期信用銀行が経営破綻するなど、日本は金融危機の状態に陥る。1998年には自殺者が初めて3万人を上回る。以後日本は経済停滞の時代が続き、自殺者数は毎年3万人以上を記録する。中でも2003年は3万4427人となり統計を遡れる時代から今に至るまで最高を記録する。またこの時期は失業率も2002年が5.4%、2003年が5.3%と高い水準にある。最近では2008年のリーマンショックの翌年の2009年が、自殺者数が増加した最後の年である。その後は緩やかな景気回復に人手不足も相俟って、10年連続で自殺者数は減少し、2019年は2万169人となり、2万人を割る目前まできた。失業率が急上昇する1998年以降や2003年頃は自殺死亡率が高まっていることが観察できる。

自殺が増加する原因はなんだろうか。自殺者の動機の内訳をみると、健康問題の増加や経済・生活問題の増加によるところが大きい。例えば1997年から1998年にかけて自殺が急増するが、自殺者の増加人数のうち、37%が健康問題、30%が経済・生活問題によるものだ。上述の先行研究に従うと、健康問題については、失業したことによってメンタルヘルスが毀損され、うつ病などになり、それが自殺につながる可能性が考えられる。経済・生活問題の増加と合わせて考えると、適切な政策によって防げる自殺も多いことが示唆される。

やはり今は強いリーダーシップが必要である。

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